読書ノート: 能力研究-(4)

2019-01-27:
福来博士“ 催眠心理学 ”〔 ほぼ西洋の研究者たちからの引用; 約800頁が、原版復刻された内容( 私の以前読んだ例では“ ハバロフスク裁判 ”頁体裁のように、大きめ印字に旧漢字等 )読み仮名無し。小型文庫本程度の印字に打ち直せばコンパクトにページ数半分で済んだだろう。 〕

2019-02-01:
御船千鶴子の田舎に戻って以後の暮らしが物語スタイルに描かれた小説,光岡明みつおかあきら著“ 千里眼千鶴子 ”。私は未だ途中だが、その“ 能力 ”が語られた部分等の間に、千鶴子とサジュという老婦人との会話台詞として、私には懐かしい“ 気 ”に関しての象徴的な言い回しがあった。
なあ、サジュさん。人間の体の中には気、空気みたいな形はないが、人間の気というものがぐるぐる巡っておって、それが体に故障がないか見張っておるのだが、気の巡りがとまると頭や顔がホッカホッカして眠れない。垂木はなるほどミシミシいうよ。しかし眠れないほど大きな音ではないよ。胸なら胸、腹なら腹にまず自分の気があると思い定めて、寝ながらその気を体中ぐるぐる回してみるとよ。そうすると気の流れがようなって眠れると。
.. 気とはなんさまわからんが、千鶴さんの千里眼には自分の流れの悪うなって滞っている気が黒々と見えておるのだろう
..

能力研究
私は今日午後-数時間中に××中央図書館2Fカウンター付近に私を投射し続けようとした。もし私が“ 霊体 ”で直接見ることができればそうしただろう。しかし、通常のポルターガイストがその当人には認知されないのと同じように、常識的なひとの働きかけは非常な振る舞いにはならないだろう( 物品等が空中を高速移動した直後に熱を持っている場合はあるそうだが、それ自体の傷つくのは偶然であって、先ず無い )。もし図書の何冊かが空中を真横にいったり背-転しながら階段を下りていったとしても、仮にそれ自体に破損させられるとしたら誰かが無理に掴まえようとしたりの場合であろう。
むしろ人にとって有害と思われる、( 例えば少年グループが路上だけでなく私の在宅中にも聞こえよがしにやっていたように )その付近に特定語句やだれかのイントネーションを言ったりするような者が遭ったりすると、“ 焦点-当事者 ”にとって無意識との転回を余儀無くされるであろう。

2019-02-10:
‘ 動かす ’というよりは‘ 動かされると思いたい ’というのが“ テーブル返し ”の基本であろう。“ こっくりさん ”はグループ催眠の可能性でもあった。私は現象を収拾できるという原理的の条件が保証できなければ実験しない( 意図的な直接テレパシーの可能性にはおそれと言えなくて否定するひともあるだろうから )。
私ひとりの場合には( おそらく霊体が )室内ガタガタ振動とともに私の寝床でのお腹に重みのある塊のように突如ストンと収まったりということが少なくとも2回遇ったわけで( ある種の持続的な集中によるものだろう )、もしそれが自体の目的を持っていたらどうなったのか?という質問であった。仮にそのような現象にメンタル-サブジェクションの類いが関与していたとしても、迷惑な他人宛ての散らかし振りよりは私の両足伸ばし自身に利用した方が得策であろう。

2019-02-14:
“ 千里眼千鶴子 ” - 私の読んだ処、御船千鶴子の“ 透視 ”がおそらく治療者としての本質にあったと思われる。私の“ 投射 ”目的は排外的であって自身招致しなかったから、前向きに助けるという本質ではなかった。
“ 千里眼千鶴子 ”にはその千鶴子という自身の台詞として“ 私の業 ”というけれども.それらと一致できなければ‘ 見る ’ことはできないという“ 透視能力者 ”の何なのかをそこはかとなく語ってはいた。

御船千鶴子は学者たちの名刺裏に書かれた“ 心神通 ”や“ 道徳天 ”という漢字3文字等を( 封筒に )透視に拠って当てたものと言われた。が、実際それらが当然だったとして、“ 彼女がそれに関する何を透視できたのか? ”という問題点。ある学者が“ サイコロ2つを振って伏せたのを試そう ”と言ったそうで、それは初めからJBライン博士考案の乱数的発生( サイコロ振り )装置という考え方と同じであったろう。
なぜなら、そこに誰かに拠って書かれたものが置かれたとすれば、“ サイコメトリック ”やテレパシー能力者にはその由来自体かその書いたひとの思念そのものが“ 見えて ”しまう。それなら物理的に密閉されていてもそのターゲット自体が透視されたとは限定できない( 却ってその容器自体がメタだということになってしまう )。
千鶴子さんはサイコロ2個当てにも可なりできたということだが、一方、長尾郁子婦人はサイコロ目当ては不得意だったのか“ 念写 ”で有名になった。〔 そう言えば、私は前年頃から度々“ ナガオさん ”という名をきいてはいたが、私が超能力について再び読み出して以来一度もそのことにはピンと来なかった。 〕
ただ、千鶴子さんの場合に問題視された鉛管( その中に予め用紙が入れられその端が潰された、透視実験用に渡される ),その透視がなぜか彼女には難しかったようだ。ドラマ風の福来氏と千鶴子自身との会話シーンの終わりにはこう書かれていた,
.. 千鶴子は福来の口調をちょっとまねて、笑った。
「 先生、私は以前にも一度、お手紙でお願いしたことがありますが、私を東京へ連れて行って下さいませんか 」
福来は鋸から目を離さなかった。鉛管はやがて切断されようとしていた。
「 なぜ行きたい 」
千鶴子は答えず、涙ぐんだ。
「 よし、千鶴さんの透視が当たらなかったら今後の習練のために連れて行こう。当たったら千鶴さんは熊本にいて努力を続けなさい 」
鉛管が切れた。
中のカードの字、無 受 次 
「 先生は中のカードの字、ご存知でしたのね。人の心が読める千里眼なんてつまらない。逆に人の心の冷たさがわかる 」

その末尾には、さも“ 哀憐だった。”と書かれてあったが、私なら別の語を宛てたところだ。

〔 図書-前例“ パラサイコロジー ”日本語版の文献リストに“ 千里眼実験録 ”という本が特にすごいと紹介されてあった( インターネット上では旧漢字等文面の頁写真等アーカイヴで表示可能のようだ )。“ 近代庶民生活誌 19 ”に同名タイトル収録があるが,私は未読。
追記: まったく読めませんでした。 〕

2019-03-07:
先述LLワシリエフ著( 思念暗示での実験 )第2章には、睡眠と催眠状態との違いは?と称する、簡単な解釈が書かれてあったので、序に参照してみよう〔 但し、その本は前世紀のものなので、最近の専門分野での理解とは違う見方があったかもしれない。,要約 〕,
..深い催眠に陥らされた被術者は、居る場所もはっきりせず、刺激にも反応せず、傍に居る人々との質問に答えをしないが、施術者そのもののすべてに対し、鋭い感受性を表す。被術者は施術者の声だけを聴き、その質問にだけ答え、更には施術者の一言一句が被術者の意識に異常なまでに鮮明な表象を喚び起こさせ、容易に幻想、妄想に移らせ、あるいは無意識行動まで惹き起こさせることができる。..被術者が長時間勝手にさせられると、この隔離伝達は次第に弱まり、途切れてしまうことがある。こうなると、被術者は施術者が傍に居ても反応を示さず、その質問にも答えなくなるだろう。伝達の消失は、催眠状態の正常な睡眠状態への移行を示すものである。従って数時間後、被術者は普通の睡眠のあとに目が醒めたかのように自発的に目を覚ますのである。
自然の眠りから催眠へ、という逆の移行も観察される。人によってはよくうわごとをいうことがあるが、‘ 眠りながら断片的な言葉や完全な文句を口にする、このうわごとが出てきた瞬間 ’を捉え、言語による接触( つまり、伝達 )を上手く結び付け、注意深く( 相手のうわごとの内容と )繋がりのある質問を発する。途端に相手はそれに答え始め、実験の目的は達せられる。自然の眠りが催眠に移り、眠っている者は被術者、実験者は暗示を掛ける施術者に変わる、というわけである。ある国によっては( 暗示を掛けて )子どもの悪習や悪癖を治している所もある。
パブロフはこの催眠状態を部分的な眠りの特殊な型と見なしている。施術者の声( の知覚 )や、その言語に依る暗示との理解に繋がる脳皮質の、限定された分野がその機能を続行し、‘ 興奮-監視所 ’として保たれている。皮質のその他部分はすべて制止され、時として自然の眠りより遥かに深く制止されている場合が催眠状態だというのである。
.. 催眠状態が自己の権利を主張するようになったとき、ある程度隔離伝達が樹立され、被術者は非常に暗示に掛かり易くなる。ここを利用して施術者は例えば、絶対に成功する、といった治療の性質について確信を持った言語暗示に取り掛かる。
.. 催眠学者の資料に拠れば、催眠に陥り易い被験者は80%-90%,但し、催眠状態の深い段階にまで達し得る者はその中の20%-30%程度だという。この場合には隔離伝達が樹立され、催眠中に施術者に拠って暗示されたことについてのあらゆる記憶は無くなるという。催眠状態になりやすいのは7歳-14歳の子ども、最も掛かりにくいのは老人、というのも面白い。一般に体験分析をやりたがらない者は暗示に掛かり易い。

読書ノート: 能力研究-(5) 2019-02-27
読書ノート: 能力研究-(3) 2019-01-14